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フォーリング・ウエイト・デフレクトメーター(以下、FWDと称す)は、舗装の支持力を非破壊試験によって評価する路面のたわみ測定装置です。
この種のたわみ測定装置には、従来より低速移動荷重によるベンケルマンビーム、デフレクトグラフ、振動荷重によるダイナフレクト、ロードフレータなどが使用されておりますが、載荷時間、載荷方法、載荷荷重波形などに問題がありました。
これらの問題を解決した新測定装置がFWDです。当社のFWDは最新の技術および機構を採用したTwo-Mass(複重錘)方式のFWDです。落下重錘と介在重錘の2つの重錘を組合せ、路面に伝わる衝撃荷重の波形が実際に車が走行した時に発生する衝撃荷重波形と相似形となるように、路面に衝撃荷重を伝えます。載荷板は、多少の路面凹凸があっても良好にフィットするように、4分割式円形載荷板となっています。また、たわみ検出器は、たわみを変位として直接測定ができる新機構の変位検出器を採用しています。さらに、計測制御にパーソナルコンピューターを用い、初期動作確認後はCRTとの対話方式で1人のオペレーターが簡単に操作することができます。
本FWDは、このように高性能ながら簡単操作も同時に実現しています。
なお、FWDには発生衝撃荷重5tf、10tf、、20tf、25tf、の4タイプがあります。用途に合わせて選ぶことができます。
◆ Two−Mass(複重錘)方式 FWD(フォーリング・ウエイト・デフレクトメーター) |
衝撃荷重発生装置にMass(重錘)が2個(落下重錘、介在重錘)あるTwo−Mass方式を採用したFWDで、実際の車が走行した際に発生する軸重荷重と相似波形の衝撃荷重を作り出します。 |
◆ 円形4分割載荷板 |
円形載荷板を採用し載荷板の中心でたわみ測定ができます。さらに、4分割された載荷板は多少の凸凹がある路面でも良好にフィットしますので接地面積が常に一定しています。したがって、層構造の理論解析との対応が良好な装置です。 |
◆ たわみ検出器 |
たわみ検出器には、路面のたわみを直接変位として計測する変位検出器を採用しています。 |
◆ 測定が簡単 |
高性能ながらも操作は、パーソナルコンピューターとの対話方式によって条件設定、自動計測が簡単に行えます。 |
◆ たわみ曲線が得られる |
載荷板中心以外に中心から 200、 300、 450、 600、 750、 900、 1200、 1500、 2000o(TR-432) の位置でのたわみ測定が行えますので、たわみ曲線が得られます。このたわみ曲線は測定中にCRTでその形状を確認することができます。 |
◆ データー処理が容易 |
衝撃荷重、たわみ量、時間、位置および温度データーがその場でCRTに表示され、プリントアウトおよびフロッピィディスクに格納することができます。 |
◆ 1) 衝撃荷重発生装置 |
重錘とスプリング系から構成されている簡単な単振動発生装置で、重錘をある高さから自由落下させ力を得る方式です。 |
◆ 2) 計測センサー |
たわみの検出には、標準で10個の変位検出器を用い、載荷板の中心および中心から |
◆ 3) 制御計測装置 |
コンピューターの制御信号により全てが制御されます。 |
◆ 4) ソフトウエア構成 |
*1:衝撃荷重載荷時の荷重およびたわみピーク時の測定 |
◆ アスファルト舗装体のたわみ量の温度補正、路床、路盤の凍結および融解などの季節変動の把握ができます。 |
◆ FWD計測データーをもとに、各舗装を支持力レベルで識別することができます。 |
◆ FWD計測データーから、補修工事および補修設計に関する優先リストを作成することができます。 |
◆ FWDによるたわみの計測結果と多層構造理論を組み合わせることにより、さまざまな用途に利用することができる ものと期待され、下記の研究が進められています。 |
◆ 舗装各層の弾性係数などの物性の定性的、定量的な評価 |
○ ペイブメント・マネジメント・システム(PMS)における舗装の構造評価 |
○ 多層構造理論による合理的な舗装設計およびオーバーレイ厚設計 |
○ 路床の支持力の判定、施工の良否判定 |
○ 等価換算係数(ai)が与えられていない材料(各種の工法による安定処理層など)の荷重分散性能評価 |
↑ 5tf FWD (TR-426)
↑ 20tf FWD (TR-425)